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勇者一行 英雄戦士を勇者に見立て、主従関係がそのまま勇者のパーティのような関係になったチーム。音音が集まり、義兄妹の関係を持っていたらしい。名無しの英雄 に勝負を挑まれ、初めは劣勢であったが徐々に有力者が帰還、愛の力で音音(義兄)が復活した後には全員ちゅっちゅモードに入っていた ID +cVbgR+H0 英雄戦士 ID C3BCHcG30 雷雷闇(鉄雷) ID o/7BCVAl0 地光闇無×2 ID VRVbcd+50 煙【従者】 主人:英雄戦士 ID MY/APekYO 光×2(主人:雷雷闇(鉄雷) ) ID aEVvHspD0 戦士E 大剣(主人:雷雷闇(鉄雷) ) ID qLh27nSrO 水地(盲目)E 杖 ID Sx/6SuxL0 音音(義兄) ID rWdL6vp/O おとおと(義弟) ID /yXdjn6tO 音×2(義妹)
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勇者の召喚(世界平和は一家団欒のあとに?) 勇者の召喚 (1)(白) エンチャント 消失5 勇者の召喚が戦場から墓地に置かれたとき、その上に時間カウンターが1個も置かれていないならば、 あなたのライブラリーから、点数で見たマナ・コストが5以下の白のクリーチャー・カードを1枚探し、 そのカードを戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。 勇者を召喚できる。悪斬の天使を呼び出すと強い。また、状況に応じて最適なカードを出すことができる。
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第二十七章-第三幕- スパルタンスピリッツ 第二十七章-第二幕- 第二十八章-第一幕- 魔王城に滞在し、束の間の休息を満喫する勇者軍だったが、 突如少数にて乗り込んできたイグジスター五滅将最後の一人、 エッセ=ギーゼンを元にしたエッセ・イグジスターの登場により、 決め手を繰り出す暇をもらえず、 勇者軍との戦闘は膠着状態に陥っていた。 「ふははははは! 手が出せまい……! イグジスターの体力は無尽蔵だ。 このまま粘り勝ちしてくれるわ!」 「ちいッ!」 他のメンバーもそうだが、ロバートもまた剣を抜く暇をもらえず、 怨霊を薙ぎ払い、迎撃するのに精一杯となっていた。 これで死者が出た日には、更に怨霊が増えることになってしまう。 そうすれば更に火力が増大し、追い込まれるのは必定だった。 敵の技『カース・プレデター』に対抗する最善の策は、 とにかく彼女の周りに浮遊する怨霊を増やさないことのみである。 大規模呪術で事前準備も必要なのは人間の時の話。 総合火力で劣るとはいえ、イグジスターになってからは そういうリスクも無視して放ってきているので、始末が悪い。 「やむを得ん、少々の犠牲は覚悟の上で、切り込むか……!?」 マリーが判断に悩みつつ、怨霊を打ち払う。 「悩め、惑えぃ! その隙こそ我が利点となるのみ!」 エッセ・イグジスターは調子に乗って供給する魔力を増やした。 怨霊の動きが更に活発になり、より始末に負えなくなる。 「やむを得ん! 切り込むぞ、ロブ!」 「分かって……何だ?」 エリックの意思に頷こうとしたロバートが何かを発見した。 「きゃんっ」 何やら子犬のようなものが エッセ・イグジスターに静かに近寄り…… がぶりッ! 物凄い勢いで盛大に噛みつき、捻り、抉り切る。 「おがぁあああああああッ!?」 そして集中を切らし、一気に呪術を解除され、 無様に転倒するエッセ・イグジスター。 「お見事ね、クロ」 そう言ってパラシュートと共に現れたのは、 イノ=ヘレティックとレオナ=タブーフィールダー。 共に魔神軍メインメンバーの二人である。 「イノ! レオナもかよ!」 「お久しぶりっス、ロバート隊長!」 驚愕の声をあげるロバート、反逆したとはいえ、 五体満足での再会に喜ぶレオナに一瞥もくれず、犬を撫でるイノ。 「後でおやつをあげるからね」 「わふっ」 黒い毛色のポメラニアンの子犬を優しく撫でるイノ。 どうやらこの子犬、遺伝子調整動物らしい。 「エッセ=ギーゼン。死んでなお イグジスターに成り下がってまで、 私の行く先に偶然とはいえ、現れるのね……今度こそ、潰す」 イノはその宿命にまったく動じる事もなく、全てを受け入れて、 砲斧アックスボンバーを構えて 真っ直ぐエッセ・イグジスターを攻撃する。 「ぐぐっ……小娘めが!」 「あなたは所詮イグジスター。 あの時の熾烈な激闘を知る由も無い。 だから、あの時のあの戦いの再現を、 その身と、その死をもって見せる」 イノは至極冷静に言い放つと、レオナに指示を出す。 「レオナ。ナノ・マシンを。もう一部の隙もやらない」 「はいッスー!」 レオナが久しぶりにナノ・マシンを展開すると、 エッセ・イグジスターや他の敵の五感が撹乱され、 それが勇者軍やその友軍の勢いを助長する事になり、 一時的に止まっていたイグジスターの駆逐を加速させる。 「勇者軍。魔神軍リーダーの権限において要請する。 あの時の再現だというなら、あなた達の力は欠かせない。 是も非も無いでしょう、手を貸しなさい」 「誰に向かってほざいてやがる! だが乗ってやるぁ!」 ロバートはマリーの封印解除を待ち、エネミーイーターを抜き放つ。 (ただしその際にまた自分の愛剣をブン殴っているが) 「一回死んでも諦めねぇなら! 二回地獄に落とすまで! 二回落として諦めねぇなら! 諦めるまでブン殴る!! 再現反逆ストレンジャー!! もう一度地獄を見て来やがれ!」 ロバートはエネミーイーターを振りかぶり、 エッセ・イグジスターに斬りかかる。 その力を受け、エッセ・イグジスターの手足が食いちぎられる。 「ぎぃぃぃぃぃぃぃ!」 「……消えて」 そう言い放つと、斧で脳天から切り裂き、続けて横薙ぎに一撃、 更にもう一度構え直して再度脳天から斧を叩き込んだ後、 斜めにX字への斬撃。一切の躊躇無く、砲撃モードに移行し、 またも口の部分へ砲撃を一斉射。たちまち頭蓋から消し飛び、 イグジスターとしての生命維持の限界を向かえ、飛び散り、 すぐに消え去ってしまったエッセ・イグジスター。 「…………終了よ」 それだけ言い放つと、一瞥だにせず振り返るイノ。 そんなシリアスなシーンだというのに、 エナは空気を一切読まず、愛猫を頑張って呼ぶ。 「ポメちゃん、どこですかー!?」 すると、愛猫ポメと、ポメラニアンのクロが一斉に寄ってくる。 「にゃんにゃん!」 「わん、わん!!」 「え、えっ!?」 戸惑うエナを見て、レオナが苦笑する。 「クロ、そっちじゃなくて、こっちスよ!」 すると『クロ』アシネコのポメと、ポメラニアンのクロが 一斉にレオナの方に駆け寄ってくる(ポメはレオナの知己なのだ)。 「ああもう、紛らわしいッスね! ポメ、あんたはあっち! クロ、あんたはこっちッスよ!」 レオナはポメをエナの方にぽいっと投げてやる。 「お前なんであんな紛らわしい名前 付けやがったよ!? 変えろ、すぐ!」 「そっちの方が紛らわしいだけ。変えるならそっちよ」 イノはロバートの猛抗議にも一切妥協しない。 こういう頑固なところは、まったくロバート譲りの反逆精神である。 「で、お前達は一体何なのだ?」 戦闘が終わり、潜水艦に潜伏したイグジスターがいない事を 確認し終えた魔王サタンが、イノに話しかける。 「私達は勇者軍のカウンターとなる組織として設立された、 元魔神王教団信者を中心とした新設の私設軍『魔神軍』。 アルファに対する魔神王のようなものだと思ってくれていい」 「勇者軍の丸パクリをすることで、 すっごくスムーズに設立されたッス! 色々機密情報を持ち逃げしたあたしの尽力の賜物ッスね!」 「いや、偉そうに言われても困りますけども」 ウォルフ王子が困りまくった顔で言う。 「ロバート。あなた達と、ウチの部隊が何度か衝突していると、 ノーラから聞いている。それは本当だと認識していいの?」 「なんだ、お前の差し金じゃねぇのかよ? まあ、意見の相違だってのは間違いねぇが」 「そう……概ねみんな指示通りに動いてくれていたようね。 けれど、この状況、もういつまでもいがみあってはいられない。 そんな生温いことをやっていられる状況でもないようだから」 クロを抱き上げ、撫でながらイノは言い放つ。 「って、やっぱりお前の差し金かい!」 ローザがツッコむが、やはりイノは聞いていない。 「ロバート、竜王ヴァジェス。そして魔王サタン。 魔神軍は、これより全面的に協力体制に入らせてもらう。 意見を否定する要素があるなら、黙って手を挙げて」 「……無ぇよ」 ロバートもそうだが、特に誰も手を挙げなかった。 当然である。勇者軍並みに使える人材達が こぞっていがみ合いをやめ、協力しようと言っているのだ。 否定する材料は無い。まったく無い。 「そう。じゃあ会議室へ案内して。ウォルフ王子も来て欲しい。 政治的な折衝とかは、ロバートには不向きなのは知ってるから」 「あ、はい!」 ヴァジェス、ウォルフ王子、魔王サタン、そしてイノ等は すぐに会議室へと向かって歩き出した。 「なんか、元々愛想のいい方じゃなかったとは思うが、 ますます無愛想になってやがるな。 前は可愛げもあったと思うが」 ロバートはいささか、扱いの雑さに不機嫌になりつつ、ぼやく。 「いんや、そうでもないと思うッスよ。 こうやって動物を飼い始めようとしたのもイノちゃんだし、 スパルタンな感じなのは、 重圧に耐えるためのポーズだと思うッス」 「ふん、レオナか……お前がそう言うならそうなんだろう。 この数ヶ月、随分としんどい戦いを強いられたようだしな」 「へへ。でも勇者軍と同じように上手くやるッスよ。 元勇者軍だってんで、色眼鏡でいる人も多いッスけどね。 そういう分からず屋には、実力で示すだけッスから」 レオナの相変わらずさに、ロバートはふと、苦笑する。 「流石だな。イノも、貴様もな」 「へへー」 どや顔をするレオナ。 元気が有り余っていそうなその様子に、 気苦労をしているのではないかと 心配していたエナなどは露骨に安心した。 勇者軍、魔神軍、そしてその他のナインサークルの連合軍。 これら全てが総力を結集し、ほんのかすかな戦力で 億を超える兵力を誇り、しかも随時補充されるという反則集団の イグジスターに対する、虚しい抵抗が始まろうとしていた。 こんな局地戦での辛勝など、大局に何の影響も及ぼさない。 その現実を知っていながら、誰一人として諦める様子は見せていない。 そして、戦いは激化の一途を辿り始める。 <第二十八章-第一幕- へ続く>
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第二十六章-第二幕- 対地対空同時包囲網 第二十六章-第一幕- 第二十六章-第三幕- 既にFSノア49の戦力によって完全制圧された ヴェール・シティを、敵の手から 人類の手に奪還するための戦いの最中、 勇者軍主力部隊はシエル、ジークらと無事に合流。 更に駆けつけようとする増援を待ちつつ、敵増援に対処中であった。 エリミノイドに加えて、謎の小型浮遊円盤が登場してきた。 機銃以外のまともな武器はほとんど持ち合わせていないようだが、 数で攻めてくる分だけ、非常に性質が悪い。 対して、有効な対空迎撃手段を持つ者は、人数の割に限られている。 空中を飛行出来るジルベルト、セシリア、フローベールの三名。 そして射撃を得意とするルシアぐらいのものである。 「ちょっとごめん、円盤の相手するから、下は頼むわ!」 ルシアが一言告げてから、対空攻撃に回る。 「了解! 俺等も一応加わってみるとするかね!」 一応弓を使えるコンラッドに、魔法に長けたリゼルも加わり、 対空攻撃要員が二名ほど増えた。ありがたい話だ。 他、ユイナ姫、ライナス、シルヴィア、ジーク、シエル、 ソニア、リュミエルは全て対地要員になる。 「むー!」 必死に円盤に食らいつくジルベルトだが、剣撃も砲撃も ほとんど回避されてしまう。大振り過ぎてまるで命中しない。 人間とは違うので砲撃がかすめた程度では 受け流されてしまうという点では、相性が悪かった。 地上はこのままでも問題ないだろうが、空中では 自分一人が足手纏いな事にジルベルトは困っていた。 そもそもが立て続けての連戦で、ただでさえ消耗の激しい 絶壁砲剣『矛盾』を着用し続けて砲撃を乱射しているので、 ジルベルトの体力も魔力も底を尽きかけていた。 「封神封魔流、速の秘剣――精霊包囲弾!」 広範囲に結界を展開。その中で精霊が暴れ回る。 その範囲内の敵は一掃したが、ジルベルトの魔力が尽きた。 「うー……」 呻きながら何とか不時着するジルベルト。 そこに多数のエリミノイドが襲いかかる。 ジルベルトはもたもたと回避機動を取ろうとした。 ちゅどむ! ちゅどむ! (誰!?) ジルベルトの左右から銃弾が飛ぶ。エリミノイドを撃破した。 その左右からはテディ、ヴァジェスの二名が登場した。 後ろを見れば、狙撃砲『アイズ・オブ・バーバリアン』を 久々に構えているドルカスが、引き続き狙いを付けている。 相変わらずの驚異的な予測射撃性能である。 「待たせたな、隊長! 任せろ!」 「勇者軍に手を出したのが間違いだったな……思い知るがいい!」 テディとヴァジェスはそれぞれにエリミノイドを蹴り倒す。 ヴァジェスは一足飛びにドラグーンからワイバーンへ、元に戻り、 そのままドルカスと一緒に浮遊円盤への攻撃を再開する。 「隊長、大丈夫か!?」 テディが聖杯ライブチャージャーの力を展開する。 ライブチャージャーには、力の源を生物から吸収し、 それをまた生物に還元する力がある。いわばエネルギータンクだ。 (ありがとなのー) たちまちジルベルトに活力が戻り、向かない空中の高速機動戦は諦め、 地上のエリミノイドの殲滅に力を注ぎ始めた。 自分の適材適所というものが分かると、ジルベルトだけでなく、 勇者軍全体が滅法強かった。あっという間に敵の数が減っていく。 だが、それでも後から後から浮遊円盤が湧いて出る。 どうやら、エリミノイドは弾頭ハッチから出るため数は少ないが、 浮遊円盤は直接生産ベースらしき場所より送り込まれているようだ。 やや遠くから明らかに毛色の違う建物があり、そこから発進している。 「こういう大規模建築物の破砕は俺の出番だ!」 ヴァジェスはワイバーン形態のまま、全力を出す。 「レーザーブレス!」 きゅごぉぉぉぉぉぉん!! ヴァジェスのブレスで、たちまち生産ベースの一基が撃滅された。 立て続けにジルベルトやドルカスなど、建造物の破砕が 得意な人員が、残りの生産ベースに向かって突っ込み、 あっという間に建物もろとも破壊していく。 「あとは残りカスだ! 踏ん張れ!」 その間も増え続ける敵に対して、テディが叱咤する。 「おおーッ!」 士気は更に上がり、すぐに戦闘は終了した。 一機残らずズタズタに破壊されたメカの群れの中で、 勇者軍は勝ち鬨をあげた。 明らかに静かになったのを察知すれば、市民達も 様子を見に出てきて、都市を奪還したのを理解するだろう。 これ以上ここに長居する理由も無かったが、 出来ればバスクがこの周辺にいるかどうかの確認だけはしたかった。 「ねえ、シルヴィア。あなたの手持ちの機材で生命探査出来るでしょ? 悪いけど、バスクを探さないといけないの。運が良かったら この市街地の地下水路のどっかに引っ掛かってる可能性もあるし」 「はいはい、もう見つけてますよー」 「……え?」 予想外にも程があるシルヴィアの返答に、 シエルは心の底から困り果ててしまった。 「……見つけてるって……あるの? 生命反応?」 「ええ、シェルターの中にたくさん、いっぱいです」 「……そりゃそっか」 よくよく考えたら生きている人間はバスクだけではないのだ。 これは特定の一人を見つけるのには、骨が折れそうだった。 「……うむ? シルヴィア。一人、近付いてきていないか?」 「え?」 今度はシルヴィアが驚く番だった。 生命反応のうちの一つが、まっすぐこっちへと向かってくる。 「バスクなのか?」 「……とは限りませんが……」 ついさっきの、今である。敵である可能性は否定出来ない。 あらゆる可能性に対処すべく、勇者軍は一切警戒を解かず、 その生命反応の一つが、自軍に真っ直ぐ向かってくるのを、 ただただ待ち受けるしかなかったのであった―― <第二十六章-第三幕-へ続く>
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第二十三章-第三幕- 鉄血戦線 第二十三章-第二幕- 第二十四章-第一幕- 魔神軍と名乗る私設軍の強襲を受けた勇者軍は、 とりあえず作戦維持のために応戦し、そのあらかたを片付けた。 だが、メインメンバーのゲイル=ウィッシュと名乗るサムライが 自ら仕掛けてきたため、ロバートは真っ向から受けて立つのであった。 「ふん! やりやがる……!」 「とぁぁぁぁーッ!!」 二人の剣撃が互いの頬をかすめ、ロバート、ゲイル、 双方に切り傷が次第に増えていく。 互いの実力は互角、あるいはどちらかがやや上か、 そう思わせるほどに実力は伯仲しきっていた。 ストレンジャーソードほどの剣であれば結果はまた違っただろうが、 まさか人間相手により凶悪になったあの武器を使うわけにもいかず、 正直、ロバートは内心で困惑しきっていた。 「正直ここまでやりやがるとはな……! 伊達や酔狂で勇者軍のコピーは名乗れねぇってわけかよ!」 「無論! 伊達や酔狂で発足した軍にはござらぬ……故に!」 ガキン! 鋭い斬撃が、刹那の間ロバートを押し返す。 「だが歴史の深さが致命的に違う! ポッと出の新米共相手にそうそう遅れをとってやるかよ!」 ロバートは急に銃を抜いて、瞬時に発射する。 「ふぬっ!?」 ゲイルは慌てて刀身でガードし、一気に距離を置く。 「直接攻撃、間接攻撃を自由自在に使いこなすか。 だが、それが出来るのが自分だけだとは思わぬことでござる!」 「なにッ!?」 ゲイルは刀を納めると、いきなり弓を抜き放った。 「ふんッ!」 ゲイルの弓は極めて正確で、直接射撃と曲射を交えて射る。 「うおおッ!?」 ウォルフが直撃を負いそうになり、危うく落馬しかける。 もちろん、ロバートにも相応の矢が飛んできている。 「くっ、まだまだだ!」 「勇者軍の長というのはこの程度のものなのでござるか!? そなたの本気を見せてみるでござるよ!」 「一人で粋がって勝てる戦いがあると思うな……エナ! ローザ!」 「はい!」 「応!」 予備役兵をほとんど片付けて、エナとローザはロバートを支援する。 エナがソーサーと魔法の二重攻撃で、 ローザはハンマーで殴りにかかる。 「そのような得物で叩かれては、我が刀が折れてしまうわ!」 ゲイルはごついハンマーを速やかに回避し、更に距離を置く。 エナのソーサーを随時弓矢で叩き落しながら後ろ走りしており、 まさしく勇者軍並みに人間離れしている。 「…………数が多いか……ならば本気にならざるを得まい。 我が技の冴えを見よ……! 秘技・無影追走脚!!」 ゲイルは、ロバートに弓を一射する。 とびきりの精度と速度で放たれた渾身の一射だ。 だが、ゲイルはそれと同時に弓をしまいつつ全力疾走。 あっという間に自ら発射した矢を追いかけて走り、即座に追い抜く。 そのまま居合い斬りの姿勢で、ロバートに斬りかかる。 「……ッ! 凌ぐ!!」 ロバートもロバートで、驚異的な動体視力と反射神経で確認し、 確実に居合い斬りを受け止める。 「はっ!」 だが、受け止められたと見るや否やゲイルは即座にジャンプして離脱。 そして遅まきながらも、放たれた矢がロバートに向かって飛んできた。 「ちっ! ままよ!」 ロクに照準も定まりきらぬまま、矢を銃で迎撃。 見事に撃ち落として、辛くも難を逃れた。 「……この技を受け切った者は、十の指に満たなかったでござる。 まずはお見事、と誉めるより他無いでござろうな」 「……化け物か、貴様!」 「普段言われ慣れているはずの言葉を自らの口で発する感覚は どのようなものでござるか? さぞ、屈辱であろうな」 ニヤリ、と笑うゲイル。 「ふん、既に残るは貴様一人だ。こちらは数に任せて迎撃し、 貴様を捕縛する事だって出来る。武器の性能にも助けられているな。 俺達が各々の武装を使えば、今頃貴様は無事では済んでいない」 「ふむ、それは事実でござろう。そなた達の実力は この短時間で充分に理解した。拙者はあくまでも遊軍。 無理をする道理はないと、筆頭よりお達しもある故、 まずは主張を棚に上げ、退かせて頂くとするでござる」 自分の実力と戦術的な不利まできっちりと理解している。 猪武者ではない、ということであろう。だとすれば 殊更に厄介なのは、今更言うまでもなかった。 「だが覚えておくことでござる。ほぼ確実な方法とはいえ、 最悪、ごく少数の者達だけを逃がすのは敗北の容認と同じ。 その思想と我等の理念は、現時点では相容れぬでござる」 それだけ言うと、ゲイルはもはや味方が誰もいなくなった戦場を、 悠々と武器を納めながら離脱していくのであった。 「……魔神軍、か」 ロバートも武器をしまいつつ、エナの治癒魔法を受けて回復する。 「勇者軍は自由と混沌の象徴である、とは……また見事に 勇者軍の本質というものを見透かした言動をしてくれる。 さしずめ奴等は、秩序と束縛の象徴にでもなるつもりか」 ヴァジェスはそんなレベルの馬鹿が、勇者軍以外にもいる事に やはり驚きを隠す事が出来なかった。 「あれだけの豪の人を率いる人は誰なんでしょう?」 「いや俺に訊かれてもな……まあ、相当強いんだろ」 ローザはエナからの質問に困り、適当に相槌を打つ。 「ですが、確実に言える結論が、今は一つだけあります」 「何だよ、ウォルフ?」 「またすぐに彼等は来る、また戦いが始まる、という事ですよ。 人間同士で争っている場合ではないというのに……」 「だが、奴等のいうことも、いちいちもっともだ」 「ロブ?」 「だが俺達はより確実なだけの道を採ろうとした。それも正論だ。 正論と正論がぶつかり合うなら、もう戦うしかねぇんだろうが」 「……せめてどちらかが妥協する点が見つかればいいんですがね」 ウォルフ王子が嘆息する。 「それを今考えてもしょうがねぇだろ。やれる事をやれや。 それがお前さんのやり方だろ、ウォルフよ」 ローザもローザで、彼女なりにフォローする。 「とにかく、このまま勇者軍は臨戦態勢を維持! シフトを組んで、交代しながら周辺区域への監視を続行します。 なにせ、アーム城と敷地を飛翔させるだけのシステムの完成には 今しばらくの時間がかかります。再度の衝突に備えて、 魔神軍相手に、勇者軍がこの場を離れるわけにはいきませんから。 民政部の方々も、各々やれる事を進めて下さい!」 「はっ!」 ウォルフ王子の指揮に、民政部が応じた。 「……もう指揮官とか貴様でいいんじゃねぇか? とか思うんだがな、たまに割と強くな」 「ロブは温存戦力ですから。土壇場で頑張ってもらいます。 露払い程度なら私の指揮で充分という事でしょう」 「誉めてるつもりか? 誉めても猫しか出ねぇぞ」 「にゃうー!」 「はは……慰めてくれるのですか、ポメ? ありがとう」 短い足で、てしてしとウォルフ王子の額を叩くポメに、 ウォルフ王子は苦笑いするしかなかった。 <第二十四章-第一幕- へ続く>
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勇者ユウダイ こちらへ(別wikiへ飛びます)
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第二十七章-第一幕- 物真似の極地 第二十六章-第三幕- 第二十七章-第二幕- ヴェール・シティを奪還し、ザン共和王国民政部首相の孫娘、 リルル(シャルル)=ブレッドを多大な苦戦の末、 バスクが偶然飛び込んできた事により、撃退に成功。 勇者軍は数日をかけて、カルナード港まで、船で一気に移動した。 「ふぃー、到着到着! んじゃ、また頼むぜ親父!」 コンラッドは意気揚々と告げた。 「エルリックも待っているのです。手早く片付けなさい」 と、養子のエルリックをおぶりつつ、養父カーティスが呟く。 「おう。いつまでも待たせやしねぇさ。んじゃな」 コンラッドは最後に船を降り、他の者に追いつく。 「手近に町とか無いかしら。物資を補給しときたいところね」 と、ルシアが手持ちの武器弾薬や食料を見て呟く。 「ああ、それならマクスフェル・シティがいいんじゃない?」 リュミエルが意見を述べてきた。 「マクスフェル・シティ? 私の知識には無いような……」 ソニアは立ち寄った覚えの無い場所であった。 リュミエルがその疑問に答えるべく、話を続ける。 「確か私達が生まれる前の話だったと思うけど、 マクスフェル王国っていう国が過去にあったのね。 それを記念して建てられた記念碑を中心に 発展していった傭兵業の盛んな都市のことよ。 ま、まず観光ガイドには載らない都市だけどね」 「ふぅーん」 シエルも感心した。ついぞ聞いたことはなかったが、 そういう都市であれば物資の補充は容易であろう。 港で集めた情報では、謎の円盤浮遊都市が そのマクスフェル・シティなる土地へ向かったとも聞く。 真実であれば一大事だし、行ってみる価値があるはずだ。 案外、民間レベルの情報は馬鹿に出来ないものである。 「よし、それじゃあ行こうか」 ライナスの一声で、一同は進む。 すると程無く、ふらふらと歩み寄るスキンヘッドの男の姿。 リルル=ブレッドの例もある。相手が誰だろうと油断は出来ない。 「おやおや、これはこれは。こんな所で誰かと思えば、 高名な勇者軍ご一行様ではございませんか」 物腰柔らかに語りかけてくる謎の男。 「何者だ!?」 テディが警戒して前に出る。 「私は『ミミックマン』というちょっとした芸人でして。 これも何かの縁です。ちょっとモノマネでもいかがです? 私も勇者軍に芸を見せたとなれば、話の種になります」 どうやら芸人らしい。一同は少し警戒を緩めた。 「ミミックマン? 聞かん名だが……悪いが我々は 作戦行動中だ。またの機会にしてもらおうか」 「まあ、そう仰られずに――まずは……」 と、ミミックマンとやらはいきなり剣を抜いてライナスに斬りかかる。 「うおっ!?」 その剣速、太刀筋はいかにもライナスそっくりだった。 「疾風剣。言わずとも誰の技か知ってるだろ?」 口調と声色までライナスそっくりに変えてきた。 丁寧にヅラまで着用済みだ。モノマネにしては悪質である。 「続けて、これでどうだ!」 すぐに距離を置いて、テディの口調と声色、そしてハンマーで、 テディに真っ直ぐ仕掛けてくるミミックマン。 「ぬぐっ! そういう手合いか! お前、やはり敵だな!?」 「ええ。まあ今はそうです。ザン共和王国民政部の モノマネ王、ミミックマンとは私の事でして」 「やっぱり敵じゃねーか!」 コンラッドも激昂して仕掛けるが、たやすく回避された。 あの身のこなしは、リュミエルのものである。 「更に、こういう小技も持ってましてね」 更にどっからか出したヅラをかぶる。アレは―― 「私ぃ!?」 ソニアも驚愕する。どういうわけかそっくりだった。 「さあ、かかってらっしゃい!」 口調どころか、声までやはりそっくりだ。 どうやら彼には性別の差はモノマネの障害にならないらしい。 「ええい、鬱陶しい真似してくれるじゃないの!」 ソニアは極力冷静に、しかし接近戦で仕掛ける。 「鬱陶しいだけだと思わない事ね!」 声色どころか、何の仕掛けやら外観まで変えてくるので どっちが本物のソニアか一瞥しただけでは分からない。 しかもどういうわけか技量まで一致させてくる。 これはある意味、モノマネの域を遥かに超えた技である。 「てぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!」 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」 二人のパンチとキックの猛連打の応酬が繰り返される。 下手に援護などすれば味方に当たってしまうのは明確だった。 「ちいっ、面倒な!」 ブレスで援護しようとしていたヴァジェスが舌打ちをする。 どちらが本物か分かっているのは当人達だけ。 実に上手なやり口だった。見事と誉める他無い。 それもこれもミミックマンの変装とモノマネの技量があってこそ。 まずはそれを突き崩さない限り、こちらに打開の余地は無い。 「……?」 なんとなくジルベルトはぼーっと戦局を見ていた。 そこに違和感を感じたのである。 先程から変装する人選が限られているからだ。 まず馬持ちには化けていない。人外にも化けていない。 人間としての範疇が、やはり限界なのではないか。 理屈ではなく、感覚だけで彼はそう思った。 くいくいっ。 (試しに行くのー) と、フローベールとバスクの腕をくいくいと引っ張った。 「わ、私達ですか?」 「大丈夫かなぁ」 (いくらあの人が器用でも、無い馬の真似は出来ないのー) 「……そっか!」 「その手がありましたね!」 これに勢い付いて、フローベールとバスクは空中と地上から 一斉攻撃を仕掛ける。それを察知したソニアは退避。 ミミックマンは姿だけはバスクに化けたが、やはり馬はいない。 「それがあなたの弱点ね!」 槍をガンガン投げつけるフローベール。 「もらった!」 馬上から棒で一突きにしてしまったバスク。 大きくのけぞり、ぐらつくミミックマン。 実質上、これは勝負有りである。 「……随分と勇者軍はバリエーション豊かな戦術を使うなぁ。 それじゃあ、俺はこの辺で失礼させてもらいますよ。 だが、後悔するかもしれない。あんた達は首相を本気にさせ過ぎた」 あくまで口調と声色はバスクのまま、ミミックマンは撤退していった。 「はぁー、随分と器用な人でしたねー」 むしろ感心したようにユイナ姫が嘆息する。 「だが、ミミックマンとやらがこうして妨害に出てきた以上、 俺達の進路にFSノア49の勢力がいるのかもしれない。 やはり、こちらに来た価値はあったのだろう、な」 ジークが呟く。 「隊長の機転で助かったわね」 と、セシリアはジルベルトの頭を撫でる。 実に気持ち良さそうな顔であった。 「で、進路は引き続き、マクスフェル・シティでいいのか?」 「いいと思います。どっちみち物資の補充したいですし」 ヴァジェスの問いに、リゼルが答える。 「民政部の奇人変人率の高さにもうんざりしてきたわ。 どのみちFSノア49を落とせば終わり。そろそろ決めたいし、 ここらで、気合を入れ直さなきゃ。行きましょう!!」 「応!」 ドルカスが真っ先に気を引き締め直し、そう宣言し、皆が応じた。 戦局が激化の一途を辿る中、目的地のマクスフェル・シティには じわじわと危機が訪れようとしていた―― <第二十七章-第二幕-へ続く>
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第十三章-第三幕- 無意識下の挟撃局面 第十三章-第二幕- 第十四章-第一幕- アルボ森林を引き続き行軍中の勇者軍主力部隊は、 敵からの奇襲を立て続けに受け、みるみる疲弊しつつあった。 当座の打開策もないまま、残り三時間ほどもあろうかという 行軍に耐えなければならない情況だが、彼等はまだ諦めていなかった。 「うおおおおりゃああああ!!」 何度目かも分からない奇襲を、騎士であるバスクが蹴散らす。 また陣形を変えてきたようだったが、二度も受ければもう通じなかった。 どんなに陣形をいじっても、間合いと呼吸、そして個々の能力に 大差が無ければ、最初の驚き以上の効果など あるはずもなかったのだ。 「くっ……しつこいですねあなた方も! そろそろ降参してはいかがか!?」 変人ナルシストのジーネ=フォーゲルも、 いつまで経っても倒れない勇者軍主力部隊に 業を煮やしつつあったようだが、 それでも我慢強く語りかけて精神的疲弊を狙ってくる。 「あのー……いくら態勢を整え直しても、無駄だと思いますよ。 そのうち突破すると思いますけど、 まだ続けるつもりですか?」 いくらか遠慮がちにメイベルが語りかける。 「当然です! 我が美しき白薔薇部隊は この程度で負けはしません!せいぜい気を揉んで、 最後の防衛線で苦しむと良いでしょう! そして我々の勝利の暁には、 大人しくあの姉妹を差し出すがいい!」 「墓」 「?」 いきなりバスクが一言加えるが、誰も意味が分からない。 が、ジルベルトが的確に翻訳を入れる。テレパスが便利な局面だ。 『墓穴を掘ったな、だって』 「墓穴を掘ったな、って言ってるわよ!?」 ジルベルトのメールをいちいち丁寧に確認してから ソニアがわざとジーネに向けて言ってやる。 「何が墓穴だと言うのです!?」 「探」 『どうせお前達はレイリア及びエイリアの姉妹を探索中なのだろう。 だとしたらこちらにも付け入る隙があるというものだ、って』 「どうせお前達はレイリアさん及びエイリアさんを探索中だから、 こっちにも付け入る隙があるって教えたようなモンだ、だってよ!」 またもいちいち丁寧に意訳するソニア。 その様子を見て、何故かジーネは哀れみの目でソニアを見る。 「……何よ」 「……何だか知りませんが、それは面倒そうですね?」 「……それは別に否定しないけど」 もう何度言ったか分からない妥協のセリフをソニアが返す。 「だからと言って、このジーネ=フォーゲル! 配下の兵が残っている限り、諦めるようなことなどありません! まだまだ手札は残っています! 撤退です!!」 ジーネはまたも手下を引き連れ、しつこくしつこく撤退する。 「あっ、また逃げた!」 フローベールが叫ぶが、ルシアやゼクウは特に気にしてもいない。 「どうせ森を突っ切るまで付き合わされるのよ。 いちいち気にしてたらキリが無いわ」 「……ちなみに今ので十一回目の奇襲です」 と、いちいちメイベルが数えていたらしく報告する。 それを聞くだけ聞いて、ルシアは肩をすくめた。 更に進軍は続き、またある程度歩いてきたところで、 またしてもしつこくしつこくジーネの部隊は攻撃を仕掛けてきた。 「ったく、しつっこいったらありゃしない!」 ソニアもまたぼやきながら敵を蹴散らし始める。 流石に精神的に嫌気が差し始めている。 (まずい……本格的に士気が落ち始めてきている。 まんまと敵の術中にハマってる……) ジルベルトは思案しながらも、懸命に味方を守る。 遂に体力の無くなりかけたキョウカ王妃が膝を折ってしまった。 「キョウカ王妃!」 メイベルが慌ててフォローに入る。 この人をやらせるわけにはいかない。 公私共に勇者軍の大勢にとって大事な人物なのだ。 だがしかし、まずい。有り体に言って危機である。 まさかこれほどの強行軍になるなどとは思ってもみなかった。 ジルベルトが逆に一時後退して休息に当てるかどうか…… そう本気で悩み始めた時だった。 どだんッ! 乱暴な銃声。一人敵兵が落ちる。麻酔銃のようだった。 「テディ=カレン、勇者軍の義に基き、いざ、参る!!」 次いで現れたのはテディ=カレン。勇者軍のメインメンバーだ。 「テディさん!」 喜色満面にメイベルが叫ぶ。 「礼儀正しいのも程々にしときなさいよ。さあ、行った!」 「ドルカス!?」 ルシアも驚く。まさか個人的な知り合いまで来ているとは。 更に後ろからは物騒な狙撃銃を持ったドルカス=ウィンチェスター。 かつての敵だったが、今はルシア同様勇者軍に深く関わる身だ。 どうやらテディとの仲は良好というところなのだろう。 「な、何なのです!?」 急に無様にうろたえ始めるジーネ。 「何故部外者がここに入って来られるのですか!? そもそも後ろの陣に残した私の部下達はどこに!?」 「それならここだ」 テディが襟首掴んでいた敵兵らしき人物を放り投げる。 「わざわざこんな所で待ち伏せしていたとはな。 他にも何陣かあったが、全部潰してきた。 俺としては落ち着いて待とうかとも思ったのだが、 住民からの苦情が聞こえてきてはしょうがないだろうな」 と、したり顔で丁寧に説明してやる。 「喋り過ぎだな、テディ。こんな奴に わざわざ情報をくれてやることもないだろう」 と、更に後ろから紫色の髪の青年が現れた。 「フロックハート・タウンはあいつが過ごしていた町だ。 あいつが教職員としての役割を終え、 ようやく惑星アースを立ち去った矢先に、 俺の目に付くところで、こんな騒ぎ…… その愚行を許すとでも思っているのかッ!」 その目に怒りを滾らせ、青年は叫ぶ。 「名乗りもせずに偉そうに! 誰なのです!」 「ヴァジェスだ! ヴァジェス=バハムートが長子にして、 カレン家の守護竜とは、この俺の事だッ!!」 カッ! 眩い光を放ち、ヴァジェスは一瞬にしてワイバーンへと戻る。 「ひゃぁぁぁぁぁぁッ!!」 その姿を見て、敵の兵士が一瞬にして恐慌状態と化す。 「ヴァジェス……あのフェイト=ヴァジェスⅡ世か!!」 ジーネも聞き覚えでもあるのか、すぐに戦慄する。 「がぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」 ガカッ!! 彼の必殺奥技、閃光の吐息――レーザー・ブレスが 木々を多数薙ぎ払い、一瞬にして戦場は焔に包まれた。 その怒りを漲らせた戦いぶりに、 新人のバスクとフローベールまでもが恐れをなしてしまう。 ソニアも、もちろん驚きは隠せなかった。 「次は当てる! 選べ、逃げるか死ぬかだ!!」 殺意を隠そうともせず、ヴァジェスは言い放つ。 よほどアイツの――シオン=カレンの愛した街の近くで 自軍が脅威に晒されているのが腹に据えかねたのだろう。 「ぐっ、何故ヴァジェス王の子息ともあろうものが 勇者軍などに肩入れを――」 ガカッ!! しかしそれをまともに聞きもせず、 ヴァジェスは二発目のレーザー・ブレスを放った。 今度は確実にジーネに直撃させるコースだったが、 彼はかろうじてかわした。 「逃げるか死ぬかだと言った! 貴様風情に選択権があると思うな!!」 「ぐっ――! 総員全面撤退! 命が惜しい者は早くお逃げなさい!!」 ジーネまでも引き上げたことで、 この方面での戦線は完全に決着した。 凄まじい怒りようだったが、ジーネがいなくなると ひとまず落ち着きを取り戻したようで、ドラグーン化して、 青年の姿に戻ったのであった。 「あわわわわわわ……」 半泣きのフローベールだったが、まあ無理も無い。 新人の彼女にとっては、ナインサークルロードすら上回りかねない、 ヴァジェスの実力は恐怖の対象以外の何でも無かった。 ――実際は頑張れば割といい勝負が出来るはずなのは余談であるが。 「だだだ大丈夫よバスク! お姉ちゃんが守ってあげるからね!」 「そそそそんな事言ってもフローベール、足が竦んでるぞ!」 少々情けない事を言う二人をテディがたしなめる。 「おいおい。味方だぞ、味方。 ナリは怖いが一応自軍の最精鋭だから」 「ナリは怖いとか言うなよお前よ」 と、ヴァジェスが半眼で鋭いツッコミを入れてくる。 「……まあ、私も正直びっくりしたんだけど」 冷静にドルカスも感想だけ述べる。 すると、とことことキョウカが近寄ってきた。 「あん?」 こつん。 拳骨のようなものを作って、軽くヴァジェスの頭を叩く。 「森林をこんなに燃やしちゃ駄目ですわよ、 ヴァジェスさん。めっ、です」 「あー……なんかすんません」 申し訳無さそうにヴァジェスが謝罪する。 威嚇目的にしては強烈過ぎるブレスが、 およそ二十五メートルプール並みの面積の森林を 一斉に全焼させてしまっていた。凄まじい破壊力である。 砲剣ストレンジバスターの砲撃でも ここまでの火力は無いかもしれない。 しかし、そうやって謝るヴァジェスの姿に人間味を感じ取ったのか、 フローベールとバスクの畏怖もいくらか薄らいだようであった。 「ともあれ、戦力を集めているのでしょ。ここからは私やテディ、 それにヴァジェスさんも主力部隊に加わらせてもらうわ。 このアイズ・オブ・バーバリアンも作り直した事だしね」 と、ドルカスが自慢げに狙撃銃を取り出した。 もっとも精度が高すぎて常人相手に使えば文字通りの 必殺武器と化してしまうため、使いどころは限られるが。 ともかく、採算度外視のカスタムメイドライフルである。 「私はドルカス=ウィンチェスター。よろしくね」 「俺はテディ=カレン。まあよろしく頼む」 「俺の自己紹介はいらんだろ。さっき言ったし」 と、三者三様に自己紹介する。 「ところでなんで謝ったんだ? お前のが年上なのに」 と、ヴァジェスにツッコむテディ。 「あっちのが階級高いだろ。それにあの人は凄い人なんだ。 作戦部ばっかりやってるお前には 重要性が伝わりにくいかもしれんがな」 「ふうむ。キョウカ王妃か。ユイナ王女の母上殿だったか?」 「ああ。勇者軍少将でありながら 惑星アース国際平和機構の長官も兼任する、 デリアの引退した今の勇者軍情報部にとっては 欠く事の許されない英傑だ」 「虚弱そうではあるがな」 「……まあ、彼女は非戦闘要員だからな」 「ならば、守ってやらねばならん、という事か」 「そうだ。テディもドルカスも肝に銘じることだな」 「分かったわ」 と、新参加メンバーの中でも意見がまとまったようだ。 その後、更に全員で会議を行う。 「フロックハート・タウンには寄るけど、 すぐに出立する予定になったわ。次の目的地は いよいよカルナード港。コンラッドと合流するわよ」 「おお、コンラッドか。それは頼れるな!」 ジルベルトの心の声をメールを介して意訳したソニアの説明に、 テディがいちいち律儀にリアクションを取る。 「そう距離も無いから一気に駆け抜けたいところだけど、 問題はキョウカ王妃の体力ね。どうしたものかしら……」 「必要なら、フロックハート・タウンで 数日休息で良いと思うけど?」 「駄目よ、ドルカス」 と、ルシアが釘を刺す。 「敵の狙いは遺伝子工学及びそれによって創造された 生命と技術全てよ。レイリア、エイリア姉妹の消息が 未だに不明である以上、私達と向こうの双方が 通信網に引っ掛かるまで、休息は取れないわ」 「……私が思っている以上に状況は悪化しているようね。 バスク、勇者軍の研究部に連絡は取れないの?」 「暫定的ですが大丈夫です、ドルカスさん」 「ならバスクから連絡しておきなさい。通信網を修復ではなく、 むしろこの際、一斉強化させるのよ。 勇者軍の組織規模を考慮したら いっそこの方が早いかもしれないからね」 「……一理ありますね。連絡しておきます」 『それじゃあ進軍再開なのー!』 「おう!!」 と、ジルベルトの号令で全員が立ち上がり、歩き始めた。 行軍はひとまずの終着段階を見せ、一行は港へと入る―― <第十四章-第一幕-へと続く>
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第三章-第二幕- 現れる敵 第三章-第一幕- 第三章-第三幕- 勇者軍の内輪揉めは膠着状態に陥りつつあったが、 それでも過激な攻防が繰り広げられていた。 (ただし、クロカゲとポメは除く) 「どうした! その程度か!?」 マリーの槍が凄まじい勢いでロバートを攻め立てる。 「手前ェ、こっちが本気じゃないと知っててわざと!」 「貴様が剣を持っていないのが悪い!」 「俺が使いたがらないのを知っていてその態度かよ!」 「それを慢心というのだ、悔いろ!」 「ぬぐぉッ!?」 マリーの槍がロバートの腕に突き刺さる。 派手に振り回されて、地面に叩きつけられた。 「カオスリキッドを使っていないだけありがたく思え!」 「こ……の……!」 反抗してはみるが、武器の質の差は歴然としている。 素直に敗北を認めるしかないところだった。 エナもウォルフ王子に押し切られつつあった。 どうしてもカウンターアタックに偏りがちなエナを、 ウォルフ王子は攻撃的な攻めで押し切りつつあった。 「ううッ!」 「ふむ、まあこんなものでしょう。 むしろよくそこまで凌ぎ切ったものです。 素直に、賞賛に値します……ね!」 どんッ! 「きゃうッ!?」 斧の柄で殴打され、大きく転倒するエナ。 「エリックさん、大丈夫ですか!?」 すぐさまエリックの援護へ向かうウォルフ王子、 ロバートを倒したマリーもそちらに向かう。 「えっ、二人ともやられてるッスか!?」 突然の事態にびっくりするレオナ。 「そこまでだ、レオナ!」 「エリックから離れるんだ!!」 ウォルフ王子と、マリーが出てきた。 更に、そこら辺から適当に、ポメを抱いたクロカゲも現れる。 エリックを数に含めなくても三対一、あまりにも不利だ。 「くっ、万事休す……ッスね!」 ナノマシンも打ち止めだ。まだ放射量のコントロールが 上手にいかないので、全部使い切ってしまった。 補充にはそれなりの時間がかかってしまう。 両手を挙げて武器を捨てるレオナだった。 「ギブアップするッス。だからド突かないで欲しいッス」 「勝負あったな」 一応の治療を受けたものの、ロバートは不機嫌顔、 エナに至っては泣きそうである。 それを懸命にレオナが宥めていた。 「まあなんだかんだ言っても信賞必罰とは言うし、 出来ればほとぼりが冷めるまでは、私としては ロブ達には謹慎していてもらいたいが、どうだろう?」 「…………それは、お前の本意か?」 「いいえ、全然?」 あっけらかんとした顔でウォルフ王子が答える。 「なら別にいいじゃねぇか」 「それでも一応世間体というものがありますからね。 出来る事なら世間が大人しくなる数十日だけでいいから、 やはり大人しくしておいてもらいたいところです」 「くだらねぇ」 唾を吐き捨てるロバート。行儀が悪い。 「ロブ、貴様!!」 マリーが詰め寄ろうとするが、そこまでだった。 ざんっ! 一同が座っている場所に大剣が叩き込まれる。 気配らしい気配はほぼ無かった。 にも関わらず、勇者軍一同は見事な回避を見せた。 「何だ、貴様は!」 ロバートが怒鳴るが、相手は答えない。 強い青の原色がやたらと目立つ鎧を着た騎士だった。 勇者軍一同には見覚えが無い相手だ。 「……答えんな。とにかく一時休戦でどうだろう、ロブ?」 「エリックのおっさんが言うんじゃ、しゃあねえ!」 見たことのない敵を相手に、 かつての追う者、追われる者が意思を一致させた。 <第三章-第三幕-へ続く>
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【作品名】勇者ヘッポコくん 【ジャンル】ドラゴンクエスト7内に登場する小説(?) 【先鋒】姫 【次鋒】お母さん 【中堅】王 【副将】ヘッポコ 【大将】兵士 【先鋒】 【名前】姫 【属性】姫(中堅の娘) 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】成人女性相当か 【長所】数合わせにはなる 【短所】魔物にさらわれている描写しかない こいつをさらった魔物が詳細不明すぎてテンプレに出来ないため、数合わせとして参戦させるしかない 【次鋒】 【名前】お母さん 【属性】勇者の母親 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】16歳の子供がいる成人女性相当 【長所】数合わせにはなる 【短所】所詮ただの数合わせ 【中堅】 【名前】王 【属性】王様(先鋒の親) 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】相応の年齢の娘がいる成人男性相当か 【長所】王様 【短所】娘が魔物にさらわれている 【副将】 【名前】ヘッポコ 【属性】勇者 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】16歳の男性相当か 【長所】勇者 【短所】おわび 作者急病のため ご好評を いただきました 勇者ヘッポコくんは 今回で中止と させていただきます。 ご愛読ありがとうございました。 【大将】 【名前】兵士 【属性】兵士 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】鍛えた成人男性相当か 【長所】兵士 【短所】唯一の台詞が「うちは 勇者は まにあっています」 参戦 vol.111 522 vol.111 523 :格無しさん:2013/08/27(火) 18 12 03.04 ID 78taVAR7 勇者ヘッポコくん考察 △強救戦艦メデューシン 【先鋒】年齢差で勝ち 【次鋒】成人女性分け 【中堅】成人男性勝ち 【副将】【大将】大きさ負け 2勝1敗2引き分け ○お天気雨 【先鋒】【次鋒】【中堅】【副将】相手の年齢が不明なので勝ち 【大将】大きさ負け 4勝1敗 ○残酷な天使のテーゼ 【先鋒】【次鋒】【中堅】相手の年齢や大きさが不明なので勝ち 【副将】分け 【大将】負け 3勝1敗1引き分け △△ギルティ 悪魔と契約した女 (ED映像)、名人戦 【先鋒】成人女性分け 【次鋒】成人男性負け 【中堅】【副将】分け 【大将】鍛えた人勝ち 1勝1敗3引き分け ×催眠学園 【先鋒】【次鋒】【中堅】体力差で負け 【副将】轢き殺され負け 【大将】洗脳負け 5敗 ×あきそら 【先鋒】【次鋒】刺されたり殴られたりで負け 【中堅】【副将】カメラや杖で殴られ負け 【大将】素早さ負け 5敗 ×津軽海峡・冬景色 【先鋒】【次鋒】成人女性分け 【中堅】成人男性分け 【副将】【大将】大きさ負け 2敗3引き分け ギルティ 悪魔と契約した女 (ED映像)=勇者ヘッポコくん